シンボルツリーは何がいいですか?
よく質問を受けます。
ミモザ(↑この写真)やオリーブ、シマトネリコ、キンモクセイが好きです!ってお客様も多いです。
ただ、これらは全て常緑樹。青森のシンボルツリーには向きません。
青森のシンボルツリーは落葉樹(ほぼ)一択!
なぜでしょうか?
その考え方をここでは少しお話します。(針葉樹はここでは端折ります)
常緑樹と落葉樹
常緑樹は寒さに弱い
常緑樹とは、常に葉を茂らせる木です。
当然冬も葉がおがってます(おがる・・・津軽弁で成長してる、生えてるの意)。
青森の寒い冬では、葉がダメージを受けるのと、
葉が茂っているとそこに雪が積もるので、雪で枝が折れやすくなってしまいます。
夏泊半島はツバキの自生の北限と言われるのですが、常緑樹中では寒さに強い方のツバキでも、これ以上寒くなると自生出来ませんよ~ってことです。
ただ、全ての常緑樹が青森では駄目かというとそうでも無く、
ソヨゴや耐寒性の強いオリーブなんかは、雪囲いをしてあげると冬越しする事もあります。
特に寒風と、地面が凍る事でダメージを受けますので、
その辺りの対策をしてあげると、冬越しする可能性はグッと上がります。
京都や温かい地方の庭園なんかは、落葉期でも楽しめるように、
常緑樹7:落葉樹3の割合で植栽する考え方なのですが、
青森は、常緑樹0~1になってしまいます。
それは、寒さに対する樹木の特性から来ているのです。
あと、冬は庭の景色なんて見ないっていう事もあります。笑
常緑樹だって落葉します!
(写真は良いのが無かったので、落葉樹の枯れ葉の写真です)
よく枯れ葉掃除が嫌なので、常緑樹が良いです!というお話も出ます。
でも、常緑樹だって落葉するのです。
古くなって、光合成の効率が悪くなった葉は順次落葉していきます。
一般には、1~3年の寿命で、春に生え変わる事が多いです。
そんな時は枯れ葉掃除をしてあげましょう。
秋に落葉して寒さに耐える落葉樹
落葉樹は秋になると、こんな風に一斉に葉を落とします。
美しく紅葉して散るもの、
紅葉せず茶色くなって枯れ落ちるもの、様々です。
大量の葉が一度に落ちますので、枯れ葉掃除が大変なイメージがありますよね。
それでも、落葉樹の葉は常緑樹の葉に比べて、薄くて軽いものが多く、掃除がしやすいです。
葉を落として休眠する事によって、冬の寒さから身を守るのが落葉樹の特徴です。
葉が無い分、雪も積もりにくく、雪囲いが簡単なのも雪国に向く要因です。
シンボルツリーの選び方
(↑すっきり上に伸びるナツツバキ)
樹木には様々な効用があります。
見た目の美しさや、収穫できる楽しみ。
その他にも、日差しや風をコントロールしたり、
隣地や通りからの視線を遮ったり、
防音効果や火事の延焼、排ガスを和らげたりする効果もあります。
うまく配置する事で、防犯効果も高める事が出来ます。
内と外を柔らかく仕切り、境界をはっきりと示すことにも使われたりします。
↑花も実も紅葉も楽しめるジューンベリー
さて、冒頭の質問です。シンボルツリーは何がいいですか?
僕がお話しするのは、まず何を楽しみたいかです。
せっかく樹木を植えますので、楽しんで育てて欲しい。そう思っています。
それが、花なのか、実なのか、葉(紅葉)なのか、姿形なのか、
お客様は樹木に何を求めるのか。まずは、そこから入ります。
先程紹介したジューンベリーや、この写真のヤマボウシなんかは、
花も実も紅葉も姿形も美しい、四季の移ろいを楽しめる木です。オススメ。
(門柱の後ろの)ナツツバキは、新緑とツルツルした幹肌がとても美しいです。
僕が一番最初に好きになって、この世界への足掛かりになった思い入れの有る木。
すっと縦に伸びますので、狭いスペースにも使いやすいです。
ハート型の葉が可愛らしいカツラ。秋には黄色く紅葉します。
新緑も美しい、葉を楽しむ木です。
僕の独断と偏見でまとめた、シンボルツリーの見どころ表です。
打ち合わせの時は、この表をさらさら~っとホワイトボードに書きながら、
もっと細かく掘り下げて、お客様と木を選んでいきます。
複数の木をバランスを見ながら選んでいくのは、とても楽しいです。