<2006年のブログのリメイクです>
今回は、駐車スペースの取り方について考えてみましょう。
一般的に、2台の駐車スペースの際は、上の写真の様に2台並列させます。
これは、コストがかからないのと、
カーポートの設置もしやすく、雪国に多いスタイルです。
ただ、正方形に近い、30㎡近いスペースは存在感がありますので、いかに、景観に馴染むように作るかが大切です。
下の計画は、一台を道路と直角、もう一台を道路と平行に取っています。
こうすると、敷地に表情が出しやすくなります。
三角のスペースにうまく植栽を配置したり、アプローチにもデザイン性を付与しやすく、美しいファサードが出来上がります。
雪国の駐車スペースの考え方
上記の2プラン、一概にどちらが良いとも言えないのですが、エクステリアの配置を計画する際は、(青森は車が一人一台が多いですので、)敷地の大部分を占める駐車スペースをまず考える必要があります。
その際に大事な事は、
- 駐車台数
- 雪投げの範囲、動線
- カーポート、ロードヒーティングの有無
- 見た目の美しさ
- 駐車場の配置計画は住宅のプラン時から始めましょう
悲しいかな、大事な街並みの景観をを作る「見た目」は後回しですね。苦笑。
それでは、各々掘り下げてみましょう。
①駐車台数
まず、考えるべきは駐車台数です。今の車の台数必要なのは当然ですが、皆様悩まれるのが、予備の駐車スペースです。駐車場の地面はどうしてもコンクリート等、固い素材にしなければなりません。当然コストは上がってしまいます。
また、どんどんコンクリートが増えていくと、どんどん庭のスペースが減り、殺風景になっていきますので、そこのバランスををまずは考えます。
予備の駐車スペースは、週に1回はご友人や(ご近所の)ご両親が来る、なんて方は必須ですし、冷静になると長時間滞在する来客は年に数えるほどだなぁ、なんて方は必要ありません。
たまにお話に出るのが、「子供が車を持った時の為に駐車スペースにしておきたい」、という意見ですが、お子さんが小さなうちは、お庭のスペースにしておいた方が良いです。子供の成長はあっという間ですので、限りある時間を、一緒にお庭で過ごせた方が良いと思います。
お子さんが中学or高校生で、青森で進学or就職が決まっているのでしたら、駐車スペースを確保しておいても方が良いと思いますが、先の事はわからないし、多くの子は県外に出てしまうのが現実なのが悲しいところです。
②雪投げの範囲、動線
次は、雪投げの範囲を決めます。(青森の雪の量は半端ないので、雪かきとは言いません。笑)
まず、駐車スペースと、アプローチ。
あとは、その前に除雪車が置いていく、憎たらしいカタマリ(これは除雪車は悪くは無いです。オペの技術にも寄りますが、雪が多いとどうしても出てしまいます)。
ここまでは必須ですね。予備の駐車スペースをどうするのかも大事です。雪投げをしないなら、格好の雪捨て場になったりします。
最近は冬用のエアコンやヒートポンプの室外機もありますので、その前も雪投げしなくてはならないし、実際その雪をどこに集めるのかも大事です。
地域によっては、道路に出しておくとこもあれば、敷地に貯めておいて、ブルが来ると夜中にいそいそと持って行ってもらったり、完全に道路が駄目で、近所の公園なんかに捨てに行く地域と、様々です。新築の方は、新築前に冬の状況を見れるのが理想です。
③カーポート、ロードヒーティングの有無
次は、カーポートとロードヒーティングをどうするかを考えます。この2つは語りだすとどこまでも長くなってしまうので、別の機会にしっかりと書きたいと思います。
もちろん、人力でも大丈夫です。
大事なのは、②の雪投げの範囲と合わせて考える事。無駄を減らして、効率よく雪の処理が出来るような方法を考えましょう。
④見た目の美しさ
そて、ここまで固まったら、ようやく見た目の部分です。ドーンと2台用のカーポートを設置して、予備の駐車スペースも確保すると、全然敷地に余裕がない・・・なんて事も多いと思います。
狭いスペースでも、門柱を設置して、表札とライトを取り付けるとそれなりに恰好がつきますし、シンボルツリーも植えられるとなおさらです。
それも難しい場合は歩くところの舗装で工夫したりと、玄関前のスペース(ファサード)は、毎日眺めて歩きますし、通りからも見えますし、建物の外観も引き立ててくれ、街並みを構成する、とても大事なスペースですので、少しでも工夫を重ねたい所です。
⑤駐車スペースの配置計画は住宅のプラン時から始めましょう
こんな大事な配置計画ですが、実際には疎かにされているのが実情です。
いざ、カーポートを配置すると、車と車の間を通らなければいけない位置に玄関が有ったりもします。宅配や来客の方に来るもの間を通られて、窓の中も丸見えですし、荷物をぶつけられるかもしれない・・・
雨に濡れずに玄関まで行けるというメリットはありますが、ほんの数歩の差です。
そういう所も含めて、建物の配置、プラン作成時から、駐車スペース(&アプローチ)の配置を考えるべきなのです。
残念ながら、多くの工務店、住宅メーカーさんはそこの意識が薄いです。
何を優先させるか。敷地の状況、環境に左右される部分も少なくありません。新築時は家の事で頭が回らないかもしれませんが、手遅れになる前に、ぜひご相談ください。